「ガラスの城の子供たち」 ジャネット・ウォールズ著 古草秀子訳 河出書房新社 育児放棄され、1960〜70年代に幼児期を過ごした著者の告白記 アル中で夢見がち、意志薄弱な父と生んだ子供を省みない母親に育児放棄され、三歳時、料理をしない母親の代わりに台所に立ち、着ていた化繊の服にコンロの火が燃え移り、全身大火傷を負う著者の回顧で文章は始まる。 このとき、皮膚移植して九死に一生を得るが、ケロイドは深く残ったようで、本人の体にも心にも深く傷跡を残したようである。(本人もケロイドについては余り語りたくないらしく その辺りは読み落としそうなくらいさらっとした記述で語られている) レイプされそうになったとき、ケロイドをレイプ男に見せると、男が怖気付いて退散してしまう、などという記述は同性として心が痛む。 惜しむべきは内容の薄さ。 「両親憎し」が前面に立ち、自分の受けた虐待の告白が強調されている印象を受けた。 他民族、多宗教国家アメリカという価値観の多様さ、ゆえの社会、共同体の脆弱さ、という部分まで掘り下げていけたらもう少し内容が厚くなったかも? 虐待の告白手記としては「Itと呼ばれた子」の方が内容が厚い。 不幸自慢はほどほどに、と言いたいところだがこの手記を書いて 育児放棄された過去、不幸で悲惨な幼年時代をカミングアウトできた、ということで御本人の気持ちが安らかになっているといいのだが、とも思った。 「ぼくの血になり肉となった500冊 そして血にも肉にもならなかっった100冊」立花隆著 文芸春秋 長いタイトルの本だ。 立花隆の読書録。ノンジャンルでノンフィクション本のみ取り上げている。 いわばノンフィクション・オススメ・ガイドブック。 身銭を切って本を買ってカスに当ると投げつけてやりたくなりますがこういう人にこういうガイドブックみたいな本を書いてもらうと、カスに当たる確立が減るので本当に有難い。 それにしても本読んでますね〜〜読みこなしてますね〜凄い凄い。 著者は、文春から講談社に移った時代、偶然講談社内で催されたあの、力石の葬式セレモニーに居合わせている。 演出過剰で、詰まらんセレモニーだったそうだ。 マンガは面白かったのにね、みたいな事をちらっと言っているのだが。 よんでるんじゃん。マンガ。 人生の一時期、断筆して新宿ゴールデン街でスナックを経営していた、などということも本書で初めて知った。 裏手の店に赤塚不二夫が経営するスナックがあって、仕入れ、値段のつけ方、酔っ払いのあしらい方、などことこまかく教えてくれたそうだ。 立花隆と赤塚不二夫。 意外な組み合わせに 30へえ。 |