「マカロニ」 エットーレ・スコーラ監督 吹き替え版 幻の名作。 トリトンより幻。 なにしろソフト化されていない。 ジャック・レモンとマルチェロ・マストロヤンニ 二人の俳優の渋い演技が見所。 80年代 イタリアはナポリ。 社用で40年振りにナポリを訪れたロバート(J・レモン)はアントニオ(M・マストロヤンニ)と名乗る「友人」の突然の訪問を受ける。 二次戦直後、友情を交わしたアントニオは昨日偶然テレビに映ったロバートを見て四十年ぶりの再会を祝いに訪ねてきた、と再会を勝手に喜ぶ。 が、ロバートはそんな友人のことなど、全く覚えていなかった。 それどころか、新手のたかりか、とばかりアントニオを追っ払おうとするロバート。 ロバートの態度に失意と怒りを爆発させるアントニオ。 ・・・・・ 二人の四十年ぶりの友情の物語が、いま再び綴られる・・・・・・・・ 友人に、家族に、趣味に、そこそこ困らない収入で楽しく暮らすアントニオと、会社重役になっても離婚調停中、幸せな結婚生活を送っているとはいえないロバートとの対比は今観賞するとベタに映らないでもないが、四十年ぶりの「旧交」がなにしろこと細やかに描写されているシナリオの細やかさに、美術の細やかさがベタをベタにみせない。 凄い。 四十年ぶりの友情は、寸分違わず甦るのか。 それとも恋愛や結婚、育児、金の工面、大切だけれど、かけがえの無いものを変えてしまうにはあまりにも悲しすぎるものが、人生や、人を変えてしまうように、旧いナポリの街並みの中にいきなり高層ビルが立ってしまったように なにかしら、変わってしまうものなのか。 変わらないものは、無い。 でも、かけがえの無い何か、が自分にとって変わらない限り、変わらないといい・・・なあ と、もはや故人になってしまったJ・レモン、M・マストロヤンニ、両俳優に敬意を捧げたい佳品。 カフェで買って二人がテイクアウトして歩きながら食べるラム酒を効かせた生クリーム乗せババ(お菓子)、海岸の屋台で売ってる揚げたてタラーリ(ドーナツみたいな奴) そして ラストシーン。 ロバートのためによそわれるが、ロバートが食卓で、自分によそわれた皿をアントニオの空席にそっと置く トマトソースと粉チーズをかけた大皿一杯の「マカロニ」・・・・・ 食いもんの美味そうなシーンが嬉しかった。 イタリア人って本当に食いしん坊だなあ。 |