「イルカの歌」 カレン・ヘス著 金原瑞人訳 白水社 メルヘンに似てメルヘンに落としどころをつけない物語 あるときアメリカ領の南の孤島で不思議な少女が保護される 救出者から逃れるその足取りは揺れる地面を歩くように覚束無い そして人語を解せず、全裸の体表にはフジツボのような貝が付着していた・・・・ 彼女は物心付いたときからイルカ育てられ、イルカとともに育った オオカミ少女ならぬ 「イルカ少女」だったのだった。 早速回りの人間たちは彼女(ミラと名づけられる)の人間社会への復帰のための 教育を始める。 ミラは、イルカ独特の好奇心で、「親」から離された寂しさはあるものの 早速言葉をおぼえ、会話を覚え、歌いたい、といってリコーダーを与えられイルカアレンジした人間の音楽 をおぼえていく・・・・ 教育施設のなかには自閉症の少年ジャスティン、本当のオオカミ少女シェイ、などがいる。 ミラはそんな少年少女たちと「イルカ」語で交流をする。 そして、この政府の保護私設のなかで「人間のようにふるまう」遊びが上手になればイルカのかあさんのところにかえる と無邪気にかんがえているミラ。 このまま人間社会に帰っていくのか、と思われたとき 一通の手紙が届く ミラの「本当の両親」と思われる人物からの手紙だった 「両親」はキューバに住んでおり、国情ゆえに会いに行けない、とミラに伝える ミラは愕然とする あいたい者にあえない不条理を当たり前に語るその不条理 きまりごとが人を縛る きまりごとが人を不幸にする では何のためのきまりごとなのか 海に帰りたい このまま人間になってしまっては海に戻れなくなる ミラは拒食症になって倒れてしまう そして・・・・ まさかのラスト 終始ミラの視線で語られる文章はみずみずしい。 良い小説でした。 オススメ Content-Disposition: form-data; name="image"
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