「20世紀ファッションの文化史−時代を作った十人」 成美弘至著 河出書房新社 クチュリエの祖ワースからマルタン・マルジェラまで 20世紀急激に変化した(必ずしも進化とは呼べない)女性ファッションの変遷史 権力・財力の象徴だったワース、ポワレ時代 クチュールとしての高級感をテキスタイル使いで誇示、それでいてリアルクローズ志向という時代感を打ち出した シャネル そして二次戦後、「ニュー・ルック」を打ち出し、時代の寵児になったディオール ディオールのこのニュー・ルック、物資の困窮していた当時のヨーロッパではあまりに 浮世離れ していたため、「布地の使いすぎ」「贅沢」と 不買運動まで起きたとか 質素・倹約でそれまで食うや食わずだった身には眼の毒過ぎた、と。 だが、アメリカファッション誌「ハーパーズ・バザール」のカルメン・スノウ女史が 高く評価(ニュー・ルック=新しく見える はこの人の命名らしい) モノホンのクチュールは買えないにしても本土戦火にさらされる事のなかったアメリカで熱烈歓迎を受け 「ディオールっぽい」 ふわふわのスカート、細い腰、ポインテッド・トウのヒールの高い靴 というデザインが流行 これが50年代のサーキュラースカートの源流になり、流行に繋がっていく そしてヴィヴィアン・ウエストウッドによるファッション=サブカル時代 ファッションは権力・財力の象徴でありリアルクローズであり、健康・衛生を保持する実用品であり株価を左右できる一大経済市場であり思想の表現の道具であり 単なるオッシャレ〜 なのであった そのどれもであってそのどれもでもない 読後感としては日経のファッションコラム(ってあるんだっけ)を読んでいるみたいな感じでした アメリカのウィメンズ・ウエア・デイリー辺りにならありそうだなあ 服作りの基礎がきちんと入っている唯一の日本人クチュリエ、ヨージ・ヤマモトの慶応大学法学部卒業後、文化服装学院に入学 という異色の経歴にびっくり バーゲンには必ず行ってるけど知らなかった |