拾遺


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...... 2009年03月13日 の日記 ......
■ 読書とか   [ NO. 2009031301-1 ]

読書感想

 

「スリーピング・ドール」ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳 文芸春秋

 

四肢麻痺名探偵・リンカーン・ライムもののスピンオフ推理小説。

本書はリンカーン・ライムもの「ウォッチメイカー」でゲスト出演したキネシクス捜査官・キャサリン・ダンスが主人公。

 

キネシクス、それは人間のボディーランゲージを心理学的・科学的手法で読み取る科学的に裏づけされた読心術。

ライムが現場の物証を科学的に分析するプロならダンスは心を読むプロ、いわば歩く嘘発見器なのである。

 

 

スーパープリズンに収監されていたカルト教団のカリスマ、ダニエル・ペルが脱走する。

過去の強盗殺人の物証をめぐっての尋問。

押し入ったコンピューターの大企業一家は末娘を除いて惨殺された。

果たして生き残った少女はなにを見たのか?

ペルの真の目的は?

マインドコントロールの恐るべき使い手ペル対人間嘘発見器ダンスの対決は?

 

捜査官だった夫に先立たれ二児の母でもありいまだに十分魅力的な女性でもあるダンスの保護者がいるゆえの弱点を、守るものがいる、帰る場所がある、というポジディブ・ディフェンスに変え強気に犯人を追うけなげな(?)姿に同性として強い共感を覚え、またカリスマ・マインドコントローラーであるペルに恐怖を覚えつつ一気に読み進む。

 

コントロールされるカルト教団の信者、要するにペルの女たちの元・DVや災害や事故の被害者の精神的な個の不在をたくみにつかれながらペルにいいだけ利用されていく過程は怖ろしく、そして個を取り戻していく過程に静かな感動を覚える。

 

変わろうとする人は変える事が出来る。

変わることを認めない人は変えられない、変わらない。

 

ある登場人物がラスト間際に

「神は休みません。人生は続きます。全ての出来事には目的があります」

 

というが如くに、である。

 

そこそこ美人で靴フェチ、というダンスのキャラ立ちはイマイチ感が無くもないが、ネット詐欺、グーグルアースなどイマドキな小道具をたくみに取り入れた作者の四段オチ、五段オチが待っているストーリーテリングの巧みさは読みどころ十分。

これはこれで十分面白い。でも早くリンカーン・ライムものの最新作が読みたい。

 

年一冊ペースでこれだけのものを書ける筆者に心から敬服する。

 


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