
「放浪のデニム グローバル経済に翻弄されるジーンズの世界」 レイチェル・ルイーズ・スナイダー著 矢羽野薫訳 エクスナレッジ デニムの原材料のコットンを作る人扱う人、製品をデザインする人、その製品を作る人、その工場を経営する人をドキュメントした本。 とはいうものの本書は第三国の「搾取工場」といわれている低賃金・悪待遇で現地の労働者を搾取し法の規制の緩い第三国で大気に、河川に海に廃棄物を垂れ流し地球規模で環境破壊を推進して製造される200円Tシャツや1000円ジーンズであるところの工場製品を使い続けるのは遠まわしに自分の首をしめてるだけやねん、という啓蒙に重きを置いている。 訳者は本書に啓蒙の意図は薄いと語るが著者は語る気満々である。 而してこういう話をされた人は大概搾取工場の実態に嘆息しそして言うという 「で、自分はどこで買い物すればいいと思う?」 と。 著者はタメイキをつきつつ、少なくとも実態そのものに興味を抱いてくれたのだからいいかとまた嘆息する。 これ、わかるなあ。 「じゃー、あそこのジーンズを買え」といって一本十万のジーンズを紹介したらほいほいとそれを買うんだろうか、その人? も少し自分の頭で考えれば?とか突っ込みたくなる。 しかし啓蒙意欲盛んな優しい著者は誰にでもできる提案を忘れない。 「先ず、クロゼットのジーンズのストックを確認してみてください」 要するに、まだ穿ける安価なジーンズが幾つタンスの肥やしになってるんだよ、ということだ。 あるもん穿けよあるもん、と。 無駄な買い物して無駄な消費をしなければ無駄に地球を汚さない。 而して、数年前からひざの破れたジーンズを繕って穿いていてそろそろ新しいのが欲しいなあ、と思って〇友で買うかーとか思っていた私はほんの少し考えてまた繕ったジーンズを穿くのであった。 (だがしかし繕ったジーンズは地球に優しいが親がいい顔をしない。 ちったあまともな格好をしなさいよ、といいうわけだ。 これも一つの抵抗運動になるんだろうか) 因みにオーガニックの糸を使ってまっとうに織られた布で作られ数十の工程で染められた「本当」のデニムで創られたジーンズは、「本当に」水洗いしてはいかんのだそうです。(無駄に生地を傷めるので汗を吸ったら裏返しにして陰干しするだけでいいんだとか) 本書のまっとうな紹介はこことかここをどうぞ 啓蒙本として読まずデニムマニアの本として読むのもオススメ。 2000円の価値あり。 個人が読むより前に、一本数万のジーンズを置く店に救急箱の如く一軒に一冊常備していて欲しい。 ジーンズショップの販売員に自分の扱っている商品のことを詳しく知って、消費者に情報伝達して初めてこの本に価値がでてくるのでは、と思った。 |