拾遺


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...... 2007年08月21日 の日記 ......
■ 翻訳   [ NO. 2007082101-1 ]

私はしませんが(笑)

 

いつか「ハリーポッター」シリーズ読中、文中の

 

「ウリにつめありツメにつめなし」

という訳語に妙訳だなあ、と同時に苦しい訳だなあと思ったことがある。

通訳のアルバイトをしている知人曰く、多分微妙なスペリングの違いを表現した言い回しが英語にもあるんだろうね、とのことでしたが。

 

私的には、「ウリにつめ があって ツメにつめ がない」 のは 漢字でのことなので、英米文学としてはかなり違和感のある訳だった。

(例えていえば、アメリカはNYで20世紀バレエ団のプリマバレリーナが私立探偵を兼業していてもそれを“二足のわらじを履く”という表現をするとかなり違和感を覚えるように) 

 

翻訳とは難しいものだなあ、と感じた。

文化背景を含めた語感を語意を、他国語に置き換える。

もはやこれは一種の創作ですね。

 

「長崎通詞ものがたり ことばと文化の翻訳者」 杉本つとむ著 創拓社 読了

日本の翻訳事始めを紹介した本。長崎通詞というのは、要するに鎖国時代の長崎出島でオランダ語を読めて書ける通訳さん。

著者が文学者なせいかやたらとグラマー的解説が入るのがややかったるいが、著者の翻訳への情熱を感じさせる本でした。

 

エピソードひとつひとつは、みなもと太郎さんのマンガ「風雲児たち」でほぼ既読のエピソードばかりだったので、私的「へえ」感は乏しい。

あまりにも有名なエピソードをひとつ

 

長崎通詞・西善三郎と蘭医・前野良沢。

五十過ぎて蘭語を学びたい、という良沢に西が言う

以下引用

 

〜「たとえば貴殿は酒を呑まれるや否や?と、問うとする。もちろんオランダ語を知らぬはじめは、手真似で、その旨を伝える以外に方法が無い。御茶碗を手に取り、酒をそれに注ぐ真似をする。次に、御茶碗に口をつけて、飲む格好をする。──そこでオランダ語では何と?と蘭人にたずねてみる。すると、drink(デリンキ=飲む)と教えてくれる。これで飲むはわかったのだが、さて、上戸か下戸か?を問うにはちょっと手真似では難しい。

方法が無いわけでござる。

たくさん飲む真似で上戸、少ししか飲まない真似で下戸を示すことはできそうだが、それがすぐに酒好き(上戸)かどうかといういみにはならない。酒が好きかどうかはその人の好みの問題でござろう。

上戸=酒好きオランダ語ではaanterekken(アーンテレッケン)というのでござるが──アーンは向うの意、テレッケンは引く事──これは向こうのものを手前に引き寄せることの意なので、上戸には最適といえる。故郷を思うときにも用いる事ができる。幼時から慣れ親しんだならいざしらず、用法意味を知って自由に使いこなすことは面倒至極でござる」〜

 

で、要するに西通詞は良沢にオランダ語マスターを諦めさせようとするんですが、この後、この言葉に一念発起。

前野良沢が「ターヘルアナトミア」を翻訳し、オランダ語はおろか、鎖国時代にフランス語、ラテン語までマスターしてしまったというオマケ的後日譚がある。

 

私はトリトンをaanterekken♪

 

 

...... 返信 ......
■Re:翻訳   [ NO. 2007082101-2 ]
みょうくさん、こんばんは。
突然ですが、私、英語の翻訳をやっていたことがあります。
語学の勉強になるし、調べもので知識が身に付くし、副収入を得られれば、などと考える余裕のあったころでした。
通信教育で勉強して、ある程度の成績を修め、少しづつ仕事をいただけるようになった矢先、体調不良に陥り、根気と集中力と締切を守る気力・体力を必要とするこの仕事は続けられないという結論に達しました。

ノンフィクションやビジネス翻訳では、内容を正確に訳すことが要求されますが、フィクションや映像翻訳(映画や海外ドラマなどの字幕や吹き替え)では、原語のニュアンスをいかにうまく伝えるかが重要になってきます。

「ウリにつめあり・・・」は、確かに苦しい訳だなと思いますが、翻訳者を責められるほどの語彙の持ち主ではありませんので・・・。
よく死者をホトケさんと訳しているのには、あまり違和感を覚えません。

「刑事コロンボ」の翻訳をなさっていた額田やえ子さんが亡くなられた時は悲しかったです。
うちのかみさん(my wife)は、翻訳史上に残る名訳だと思います。
額田さんは実力は言うまでもなく、お仕事の早さでも有名だったようです。そんな額田さんでも、うまく訳しきれず声優さんの演技力に頼った部分もあるとおっしゃっていました。

(ここで突然、声優さんの話になります。)
吹き替え版の映画やドラマにも演出家がいますし、声優さんたちは翻訳家の協力者でもあるんですよね。
声優さんも、アニメ専門の方、映画・ドラマ専門の方、両方なさる方といろいろですね。

藤原さんは、「フレイジャー」というアメリカのTVコメディ・シリーズの吹き替えで初めて知りました。
「ハガレン」のヒューズさんや、「BOOD+」のネイサンもこの方ですよね。
田中敦子さんは「JAG」のサラ・マッケンジー役をされていますし。(素子さんを少し女っぽくした感じ。)
ギロロが岩窟王とは知りませんでした。今後、要チェック。
器用に声を変えられる方もいらっしゃいますね。
大塚明夫さんは「ER」にも出ていらっしゃいますが、声、バトーと変わりませんね。
(だんだん何が言いたいのかわからなくなってきました。)

「ER」なんかは吹き替え版と字幕版の両方が放送されるので、比較してみると面白いです。
英語の聞き取りは難しいですが、字幕から推測できることもあります。
ようするに、英語学習への熱意がまだ少しは残っているということなんですね。

トリトンは英語ペラペラみたいですね。羨ましい。
コロンボがよく口にする「因果な商売」って英語で何て言ってるのでしょうか。いつか調べてみよう。
それでは、また。


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0821
クリスタル 2007/08/21 20:09:12 
■思えば   [ NO. 2007082101-3 ]
こんばんは、クリスタルさん。

>よく死者をホトケさんと訳しているのには、あまり違和感を覚えません。

うんうん。コロンボさんが言う分には、ですね。
これがJ・ディーヴァーの名探偵リンカーン・ライムが言ったならさぞかし違和感を覚えることでしょう。
要するに、キャラを把握していなきゃ、ことば一つ扱いがたい、ということでしょうね。

額田さんの翻訳苦労話はつとに知られるところですが、〜うちのかみさん〜は確かに名訳の一つでしょう。直訳名調子ですが〜フォースの共にあらんことを〜もいい訳だなあと思いますが。

私もここから声優さんの話に。
ネイサン・マーラーも藤原さんでしたか!演技幅広いなあ・・・・
田中敦子さんは洋画や海外ドラマでよく吹き替えされてますね〜チョイ役っぽく出演されても、田中さんが吹き替えならぢつは・・・・というネタバレになっちゃったり。
大塚明夫さんはあまり声質変わらない演技要求されているんでしょうね。
BBCの名探偵ポワロの「ポワロのクリスマス」で、お父様の大塚周夫さんと親子役で共演されていたのが懐かしくも思い出してしまいた。

>「ER」なんかは吹き替え版と字幕版の両方が放送されるので、比較してみると面白いです。
ほほほおおおお〜
確かに。
洋画のDVDソフト買うと、字幕英語、吹き替え日本語で楽しんだりしますが。手持ちの「ネバーランド」でやってみようかなあ♪
楽しみを下さってありがとうございます。

>トリトンは英語ペラペラみたいですね。羨ましい。
コロンボがよく口にする「因果な商売」って英語で何て言ってるのでしょうか。いつか調べてみよう。

トリトン、ガイジンはおろかポセイドン族、果てはヤドカリとも会話してましたもんねー。
最強バイリンガル?(-_^;)

私も「赤毛のアン」のマシュウの「そうさのう」って原語でなんて表現なのか、いつか調べてみようと思いました。
御互い、分ったら教えあいましょうよ♪

ではでは〜〜


みょうく 2007/08/21 22:00:13 

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