「女歌の系譜」 馬場あき子著 朝日選書 紀貫之が「たをやめぶり」と評したそれ以前、万葉以来から連綿と続く、女性の和歌 日本独特の美意識、言い切ることなく、もみもみと(もしくはねちねちと)した含羞を込めた 「請う」=「祈う」=「恋う」 女性独特の精神構造から醸される叙情が日本文化の根幹の一部であった のではないかと考察する文芸評集 小野小町の項のこの部分はかなり興味深い 「〜遊行婦女と貴女〜とは実に同質一対の説話型であって、流離者のみがほんとうの貴種 なのであり、遊行老残の婦女のみが美貌多感の貴女であらねばならないのが伝承者間の 哀しい生活現実の反映なのである」 能の「海女」もそうだもんな そういえば 「海女伝説」と「羽衣伝説」が似通っている理由もこのへんに解がありそうな。 古典文学の考察、というのは出尽くした感あり、とおもっていたとこにこういう評論。 評論のというのは切り口によっていくらでも面白くなるもんなんですね〜 と、感心。 ちなみにかなり文章的にも内容的にも読ませる内容であるが 作者に言わせると三十年前の「若書き」だそうである。 才能のきらめきがまぶしいような、時にはそのきらめきに圧倒されるような文章でした! 「棒切れ木馬の騎手たち」 マルタ・オリオソ著 外村敬子(とのむらけいこ)訳 行路社 帯のあおり文句 〜やめられない戦争をやめさせた子供たち 不寛容と猜疑と覇権の争いが全ヨーロッパをおおった17世紀 棒切れ木馬 の感動が、三十年に及ぶ戦争に終わりと平和をもたらした〜 児童書です スペインでは有名な作家さんなんだそうですが 日本では宣教師協会の翻訳の会だかでちまちま翻訳され、や〜〜とこの世に出た ようです。 実話を元にした(!)メルヘンだそうです
いまでも、この作品の舞台になった北ドイツオスナブルックでは木馬の行進をして和平条約締結記念のお祭りをするそうです^^
時は17世紀、場所は北ドイツ三十年に及ぶ全ヨーロッパを巻き込んだ戦争で国土も人心も荒廃していた時代 マドレ・ベルタと呼ばれる知恵と包容力のある女性が戦争で家や、親や、国をなくした子供たちの面倒をみていた。 そして、戦争が終わったという知らせとともに各国首脳が当地に終結するが、利権争いで和平問題解決は一向に進展しない 子供たちは考える マドレがくれたやさしさ あたたかさ こんなもので争いごとをなくせたら いままで、親の無い、食べ物の無い、情勢不安におびえるあまり自分自身の作り出す幻想に現実逃避していた 子供たちがだんだん現実逃避しなくなる下りは感動的。 これ、トルンカスタジオみたいなところでコマ撮りでパペットアニメーションにしないかなあ 金食うし時間かかるし興行収入もないだろうけど ヨーロッパテイストを大事にできるとこで作って欲しい作品だから。 舞台が北ドイツなのになんでキャラ名がスペイン風なの?(←作者がスペイン人だからだろう) とかいう瑣末なことに引っかからないでよむのが肝要かも^^
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