「まるわかり甲子園全記録〜 20世紀春&夏の高校野球・完全版」 森岡浩著 新潮社 緻密なデータとユニークで愛のある20世紀の甲子園の記録と記憶が一冊にまとまった本 第一回大会の各出場校の地方予選からのデータまで収録されておりデータの膨大さにただただ圧倒される。 かつて「海のトリトン」でアニメに“出会った”ように 私が甲子園に“出会ってしまった”試合がある。 昭和53年の夏大会、中京−PL学園の準決勝 (ちなみにまだこのときのPLには清原も桑田も、当然、立浪もいない) 以下引用 〜一回表裏、両チーム走者を進めるも両校の党首が後続を抑えて四回表まで試合が動かない 四回表、中京が盗塁、スクイズで一点先制、六回表に三塁打でタイムリーで二点目、八回に犠打で走者を帰し3−0とリード、九回のバントと牽制悪送球で駄目押しの一点追加で九回裏を4−0で迎える。 ここから九回裏、PLの大逆転が始まる 先頭打者タイムリー、一死後、レフトオーバー、タイムリーヒットで二点を返す。 ここで中京高校投手交替。 PLは二点差ながら送りバントで2死二三塁とランナーを進める。 スコアリングポジションに走者を背負って中京のリリーフ投手が明らかに動揺する。 ここでPLの打者が一番に戻る。 一番を歩かせ、二死満塁。 二番打者と勝負する。 ここでヒット、三塁ランナースタートで一気に同点、延長戦に突入する。 しかし流れが完全にPL側に向いてしまったため、12回裏PLのサヨナラ勝ち。 後攻めのPL,と恐れられる。 決勝の高知商業戦も後攻めでサヨナラを決めている〜 とまあ、高校球児がおにいさんに見えた娘っ子にも非常に解かりやすくかつダイナミックな展開で、この試合をきっかけに私は甲子園ファンになってしまった。 (くどいようだが、このときのPLには清原も桑田も立浪もまだいない) 以来、PLは甲子園常連高になり、私は母校の校歌は忘れても、サビだけならPLの校歌を歌える。 (ついでをいえば駒大苫小牧の校歌もサビだけなら歌える) 甲子園最高の試合、といえば昭和54年の夏の三回戦、死闘延長18回の星稜−箕島戦といわれているが、私の記憶の中のベストゲームは一昨年の駒大苫小牧ー早実の決勝引き分け再試合と、この昭和53年の中京−PL戦である。 死闘・名勝負、名選手・名監督・名物応援・越境入学・ドラフト問題など歴史に付随する名エピソードが連なる中 〜平成10年の夏の岩手県予選の遠野高校には菊池性の選手が多く、部員54名のうち19人が菊池性、スタメン九人のうち7人が菊池性だった。(元々岩手県には菊池性の方が多いらしい)〜 などという珍エピソードも収録されており、単なるデータブックにとどまらない愛を感じた。 甲子園好きのあなたにオススメの一冊 |