昨日の「日本の鶯」の続き マリー・ローランサンと堀口大學が出会って七年後、ローランサンが大學のことを歌った歌をそっと渡されたという歌。 「日本の鶯」 「彼は御飯を食べる 彼は歌を歌ふ 彼は鳥です 彼は勝手な気まぐれから わざとさびしい歌を歌ふ」 堀口大學は実母に早世されたせいか多感で早熟な人だったようです。 「勝手な気まぐれからわざと寂しい歌を歌う」人だとおもったのはローランサンだけではないらしく師匠の与謝野寛(鉄幹)が堀口大學に贈った歌。 「大學よ わかきさかりに 逸早く 秋のこころを しることなかれ」 解釈は様々ですが、さみしんぼうのポ-ズをとってばっかりいると本当に寂しくなってしまうよ、そして本当に寂しいときにはどう寂しいと歌えばいいか判らなくなってしまいはしないか、という恩師の思いやりを感じないでもありません。 なんだか背伸びばかりしている子供がシークレットシューズを穿いた大人になって自分の本当の身の丈が判らなくなってしまった、とかいった感じで。 寂しい、といえば本書に凄い歌が載っていたので書き写しておく 「鎮静剤」 「退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です かなしい女より もっと哀れなのは 不幸な女です 不幸より もっと哀れなのは 病気の女です 病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です 捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です 追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です 死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です ──マリー・ローランサン 陰鬱なシャンソンのようですね。凄いです。 「鎮静剤」というタイトルも凄い。 そういえば堀口大學の詩をいっこも紹介していないなあ、と思い 「初富士や 相模の海は むらさきに」 冬の晴れた日の早朝、相模湾眺め降ろすとほんとうに海がむらさきに広がり渡っているそうです。 webで検索したけれどちょっとそういう風景写真は見つかりませんでした。 一度見てみたいものですね。 |