「眠狂四郎無頼控 下巻」 柴田錬三郎著 集英社 下巻に突入。面白さに一気に読んでしまいました。 ころび伴天連が大身の旗本の娘をレイプして生ませた姦淫の子、狂四郎。 江戸の郊外で母と下男以外係わりを持つことを許されず、寺の離れで母と暮らし寺の山門よりでることを禁じられて育つ。 自身母に愛されていることを自覚しながらもその反面望まれざる存在として生まれ、母を苦しめてきたこと、実の祖父にも名乗られることは無く、十五歳で出奔。 以後無頼の人生に突入。 二十歳のとき自分の父が異人である可能性に気付き、確かめるべく長崎へ。 長崎の地で概ね自分の出生の秘密に気付き驚愕のあまり江戸への帰路、船旅を選んだところ船が瀬戸内で難破。瀬戸内の孤島に漂着し、そこに棲む剣の師匠ついて修行し遂に円月殺法を編み出す。 と、腐女子好みの設定満載、河内山宗春、水野忠邦、大塩平八郎、十一代将軍家斉、鼠小僧次郎吉、と各界の著名人満載、とファンサービス満載。 だったところに あるきかっけで自分と同じ境遇の男の混血の幼児を引き取り、望まれぬ境遇に生まれたかつてレイプした女、美保代を妻に迎えいきなり妻子持ちになるのだが、いきなり無頼がおさまる訳も無く、妻子が暮らす家に滅多に居つかず酒を喰らいつ無頼人生をあえて突き進む。 「否定」され続けの運命のもとに生まれて、「否定を否定する」ことで生きてきた狂四郎は「肯定する」ことが怖ろしいのだ。(否定を否定することは肯定にならない 深いですね) 〜──おれは、美保代のために、なにをしてやったろう?一片の愛情もなく犯して……慕われるにまかせてすてて顧みず……尼寺に入っていたのをつれ戻して、見知らぬ他人の捨子をおしつけて、養わせ……血を喀きつづけて高熱に喘いでいるのに看取ってやろうともせず、こうして痴れ酒をくらっている! ですよ、あーた。 腐女子の血が沸点上昇いたします。 そうして妻、美保代は業病に冒されながらも狂四郎の子を産むことを夢見つつその思いのたけを遺書にしたため、狂四郎に看取られて死に、狂四郎もまた最後を迎える。 この辺パターンでこうなる、ということはわかってはいても展開にグッと来ます。 剣豪小説がだんだん人物造形を掘り下げていくあたりは質的にも量的にもかなりの読み応えでした。 買おうかなあ、文庫で。 並列読書で柴田錬三郎のエッセイ集を読んでいましたが、眠狂四郎のネーミングの由来は 覚えやすい→だれにでもあるもの→睡眠→眠り だそうです。 ちなみに締め切りの三日前に考え付いたんだそうです。 そこから締め切りは破ることなく週刊連載で百話完結。 凄いですね〜〜〜〜 |