DVDで映画鑑賞。以前撮って長い事観ずにいた。 「かもめ食堂」感想。 Wikkiによるあらすじはこんなかんじ 〜サチエ(小林聡美)はフィンランドの都市、ヘルシンキで「かもめ食堂」という名の日本食の小さな店を営んでいる。 ある日カフェにやってきた日本かぶれの青年に「ガッチャマンの歌の歌詞」を質問されるが、思い出せず悶々としていると、町の書店で背の高い日本人女性ミドリ(片桐はいり)を見かける。 もしや、と思い試しに「ガッチャマンの歌詞を教えて下さい!」と話しかけると、見事に全歌詞を書き上げるではないか。 旅をしようと世界地図の前で目をつぶり、指した所がフィンランドだった…というミドリに「何かを感じた」サチエは、彼女を家に招き入れ、やがて食堂で働いてもらう事に。
一方、マサコ(もたいまさこ)は両親の看護という人生の大役を務め終え、息抜きにフィンランドにたどり着いたものの、手違いで荷物が紛失してしまう。航空会社が荷物を探す間にかもめ食堂へとたどりつく。
生い立ちも性格も年齢も違う3人の女性が、奇妙な巡り合わせでかもめ食堂に集まった…。 〜 うちの母親がえらく感動していた映画だったので見る前から腰が引けていたのだが、なるほど、年配者の母親がえらく感動するだけの事はあるなあ、と思った。 恋愛も修羅場も別れもなくなくただただ、小さな出会いの連鎖で物語が紡がれる。 ただそれなりに年を経た寂しいものたちが傷を舐めあうのではなく、傷を治るまでずっと息を詰めて見守っているように、真摯に、それでいて和やかな空気を描写するのに終始するロングの長回しを多用して飽きさせない映画作りセンスと、全体の調和を考えしつくされそれでいて個々人に似つかわしい衣装を着せたスタイリストのセンスに唸らされた。 ガッチャマンの歌でツカミをオッケーにして、ウェットな部分を極力排除しながら、時に挿入されるこまっけいギャグで長回しを飽きさせないシナリオの工夫も偉い。 もたいまさこの美味しい、と言ってコーヒー茶碗の底を支える指先、コーヒーを客に出す時のややテンポのまったりした挨拶、頭の下げ方、スピリッツを差し向かいで呑む前の厳かと言えるほど気品に満ちた、それでいてユーモラスな存在感のある演技力が心地よい。 和やかな優しさが、人を、自分を変えていけるといいね、というはかない確かな、希みというようなものがそこかしこに満ちて、ただそでだけで連綿と映画が続く。 この映画を一言で言って「現代の大人のメルヘン」、ただ、ぼんやりと夢見ることを夢見ているだけでは何も変わらないんだよ、といってしまうのは容易いのだと思う。 だが、そんな言葉で割り切ってしまう捨ててしまうには余りに惜しい。 映画館を出たあと、なんだか顔を見合わせて、笑顔になれたらいいな、そう思いました。 同ハコで話を作ったら多分二番煎じになってしまうだろうな、と思って映画を見終えながら。 名作とは呼びたくないが、まぎれもなく佳作でした。 ミニシアター系でロングランの理由がわかります。
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