「阪急電車」 有川浩著 幻冬舎 阪急電車内で巻き起こるラブストーリー・オムニバス。 ある日男の図書館借り出しライバルであるところの女性を阪急電車でみかける。 女性は武庫川鉄橋からみおろす中洲に描かれている「生」の文字に釘付けになっている。 女性は言う「愉快な遊びね、生ビールが呑みたくなったわ」 男は言う「あれはなま、じゃなくてせい、表しているんじゃないか?鉄道事故の慰霊碑なのかもしれないよ」 女性は言う 「でもあんなところに慰霊碑?」 こんなやりとりから自己紹介、そして恋が始まる。 そしてそれを見ている友人に彼を寝取られた二人の披露宴に嫌味で白いドレスを着た翔子が乗り合わせ、そんな翔子を気遣わしげにみている老女、時江の恋の回想、翔子を見ていたミサと彼氏の仲たがい、ミサの彼氏をみていた悦子のぶきっちょな恋物語、そんなところに乗り合わせたあることから彼氏ができないのが悩みの美帆の恋の予感… と、恋物語が列車の車両のように連結しているところがこの本の妙味でありましょう。 電車は終点、で幸福な、あるいは不幸なそれぞれの恋物語が終わるかとおもいきや、電車は「折返し運転」する そして夫々の恋の顛末が語られる。 軽いラブコメディをかかせたら多分一番旬な作家でしょう。 ドラマ化なんかの企画ももうあるんではなかろうか。 |