拾遺


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...... 2009年06月10日 の日記 ......
■ 読書とか   [ NO. 2009061003-1 ]

 

「三匹のおっさん」 有川浩著 文芸春秋

 

甘ったれ息子夫婦と高校生の孫を苦々しく思いながら三世帯同居、職場を定年退職した理論派の剣道家・清田清一:通称キヨ、工場経営で妻の忘れ形見の一人娘の高校生早苗と暮らす頭脳派のメカオタク・有村則夫、

通称:ノリ、息子夫婦と居酒屋経営する体力担当の人情派で柔道家の立花重雄・通称:シゲ。

 

この現・アラフォーならぬアラ還の、元悪ガキ三人組「三匹」が、自分から老け込むな、まだ俺たちゃ十分やれるんだ、とフリントに訴えかけるシルバーのように元気よく、ご近所の痴漢、詐欺、動物虐待、ご近所の悪を成敗する!

痛快ストーリー。

 

 

 

もっとも事件は周りばかりにではなく、身内にも転がっている。

ゆすり事件をきかっけにジジイ呼ばわりされたくないならガワから変えろ、などとアラ還のキヨにカジュアルファッション指南されながら孫の祐希との交流をとりもどすキヨ、詐欺事件をきっかけに冷めかけた夫婦仲を回復していくぶきっちょなシゲ、痴漢事件をきっかけに家事全般を取り仕切る一人娘の寂しさを改めて知るノリ、そして事件をきっかけに知り合う祐希と早苗の恋話。

 

甘え下手な早苗と、甘やかされた親に甘やかされたくないといいつつ自分のガキさ未熟さを再認識する祐希の交流を通して育っていく恋話をはさみつつ、軽快な展開と、テンポのよい会話でストーリーを展開していく作者の熟練振りはさることながら、ご近所の小さな事件の発端は交流関係の空洞化、ふれあいをもとめながら交流が怖く、もしくは年齢とともにうっとおしくなってしまったひとのこころの淋しさにあるんだ、という物語の中軸をなすテーマは心に響く。

 

大好きな漫画家須藤真澄さんの挿絵と表紙なのもファンにとってはうれしい限り。

 

続巻に期待したい。


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