拾遺


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...... 2009年09月18日 の日記 ......
■ 読書   [ NO. 2009091802-1 ]

 

 

「DIVE!」 森絵都 角川書店

 

高さ十メートルの飛び込み台から時速60マイルでダイブして飛形を競うダイビング。

日本ではまだまだマイナーな競技であるところのこの種目。

主人公は弱小ダイビングクラブに所属する下手の横好き中学生、知季(ともき)。

ここに、新進気鋭の女コーチが赴任してくる。

ダイビングクラブのオーナーの孫であり、アメリカで最新コーチングを学んだという彼女は、知季に隠れた才能を見出し、オリンピックを目指そう、とはっぱを飛ばす。

実はダイビングクラブは赤字経営で風前の灯火。しかしオリンピック代表をクラブから出せばクラブの存続を許される。

そして、彼女は未知の野生児、飛沫(しぶき)を青森から引っ張り出し、弱小クラブに放り込み、クラブの、ひいては低迷する日本ダイビング界の起爆剤にしようともくろむ。

そこに、クラブ一の有望株で両親ともに元オリンピック選手のサラブレッド、要一の思惑。

 

しかし、オリンピックの代表権は本命の大学生を除いて一枚。

 

一枚の代表権をかけて、知季の、飛沫の、要一のダイビングにかける青春が時速60マイルで加速していく…!

 

という青春ストーリー。

 

話のテンポもよく、ダイビングというあまり知らない競技のルールなどを交えながら、知季の青い恋バナや飛沫の大人な恋バナ、要一の両親との確執をからめて退屈しない。

ラスト間際のオリンピック選考会にストーリーのピークを持っていく手際はわかっていても読まされてしまう。

上手い。

 

しかし個人的な感想としては厚さのわりに書き込みが浅い。

これは作者の未熟でも時間の無さでもなく、中学生、高校生の青春ストーリーに話を絞るために、話のディティールをあえて浅くしたのかもしれない。

これはこれでいいが、この作者は「いつかパラソルの下で」のような成人女子の恋バナのほうが読ませる。

この作者の小昏いちょっとすっとぼけたユーモアはお子様ではなく酸いも甘いも知ってしまった大人のもののような気がするので。


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