国営放送の10/2放送の「芸術劇場」が ロシア合唱の特集だった。 「黒い瞳」「ボルガの舟歌」などツカミのいい曲に混じって 「聖ヨハネス・クリソストムスの典礼」から(ラフマニノフ) という宗教曲が聴き応えがあった。 この曲がまたね、不思議な曲で。 フツウ宗教曲ときたらヘンデルのメサイアみたいな熱狂的なのを想像するじゃないですか。 それがね、違うんですよ。 大盛り上がりも盛り下がりもせず、マイナーコードでびょうびょうとした歌。 19世紀の「神は高く、ツァーリは遠い」と言わしめ、ロシア民族の政治も宗教も自分たちを救ってくれない、まるで谷底から針で突いた穴から漏れる光を仰ぎ見るような宗教観を感じさせる曲。 まるで吹雪の昼間に風の音を聴いているようなそんな気にさせられる曲でした。 調べたところによると、この曲は四旬節用の曲だそうで苦難を歌った歌なのでハレとケでいうところのケにあたるイベント用なわけですね。 そしてね、この同じ節回しを盛り上がりも下がりもしないこのかんじ、どっかで聴いたなあ、と思ったら お寺さんの坊さんのお声明に似てるんですね。 宗教曲がどこか似かよる、というのはよく言われることですが。 私がそういうと、 家人がぽそりと 「なのに宗教で戦争するんだから、不思議だよね」 本当にね。 |