
「ペテン師列伝 あるいは制服の研究」 種村季弘 河出書房 近世・中世ドイツの実話を基に展開されるペテン師列伝。 内容そのものよりも、豪華絢爛で皮肉の効いたレトリックに彩られるペテン師を語る語り口、著者の古今の文学、文献を自由自在に引用する博覧強記振りに圧倒されっぱなし。 はじめて筒井康隆読んだ時を思い出すぞ、この感覚。 それにしても語るべく感嘆すべくは著者の博覧強記である。久しぶりでこの本で知らない字の読み方を調べるために辞書を引きました
「一籌を輸する」って読めます?意味知ってます?
あたしゃ読めませんしわかりませんでしたよ。
あるいは制服の研究、と銘打つが如く本書は 最初にペテン師ありき、であるのかもしくは制服(=ぺてん師が被るべきペルソナ)ありき、なのか というささやかな命題を読者に投げかける。 うーん。 要するにドジでチビでなんの取り得もない女の子の北島マヤだからなりきりっこが上手いのか、目指すべき「紅天女」がるからこそ天才にあるまじき地味な努力を尽くす天才美少女姫川亜弓の演技に観るべきものがるのか、ということか? 絢爛豪華混迷に満ちたバロックなテーゼをずずいっと身近に引き寄せてみる。 要するに被るべきペルソナに実体が無いからこそそのペルソナのディティールを凝らすのであるので、北島マヤメソッドで本題に取り組むか亜弓さんメソッドでペルソナに取り組むかそのどれでも無い方法でバーチャル空間を作り出すか、ということですかね? 而してこの世は全て舞台とはいいつつも馬脚を現したペテン師の末路は知れているので割愛されているのが本書の真骨頂であろう。 なに、実害さえなければうまく騙されたいというのが人情というものであるのだから。 |