
「一角獣物語」 種村季弘 大和書房 聖書の誤訳から顕わで出でた幻獣「ユニコーン」に寄せてきた古代から近代までのヒトの思い、もしくは妄想のありかとそのバリエーションを語った本。 時に得体の知れぬ=悪の象徴として語られ、一角の徴を持ち迫害される姿を受難のキリストになぞらえられ(故に処女に懐くというイメージが添加される)、受難のキリストから「復活」「あらゆる害毒に犯されない」というイメージをもつ。 この幻獣の華麗にして幻惑的な裳裾の麗しさ。 ヒトの妄想力って凄い。 誤訳からここまで妄想できるのか。 幻想文学の表紙になってることでよく知られている「クリュニーのタピスリ」から古今東西のユニコーンモチーフの絵がかなりたくさん挿入されており、見ているだけでも楽しいが出来れば図録をカラーで再収録して再販して欲しい。 ところでこのクリュニーのタピスリ、一角獣の足の速さ(vitesse =ヴイテツス)のアナグラムがル・ヴィスト(Le Viste)であることから一角獣モチーフを偏愛した16世紀の豪商ル。ヴィスト家の娘、クロード・ル・ヴィストの嫁入り道具の一部だったらしい、という説が付けられていた。 だからユニコーンガンダムでビスト家、というネーミングが出てくるわけなんだねー、とかなり外れた脇で「へえ」を連呼する私であったとさ。 |