拾遺


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...... 2007年07月06日 の日記 ......
■ 読書   [ NO. 2007070601-1 ]

「カラフル」森絵都 著 理論社

 

死んだ「ぼく」の魂に天使プラプラが、「再挑戦」のチャンスをくれる、という。

体を借りて、下界に生きて、魂の修行をする「ホームステイ」をしろという。

もちろん「下宿先」は選べない。プラプラは、気分次第でアドヴァイスをする程度。

そして「ぼく」は服薬自殺を図った「小林真」の体に乗り移る・・・・

 

奇跡の生還をした「小林真」

泣いて喜ぶ両親と、兄。

だが、だんだん「ぼく」の目に小林家の実態がみえてくる。

 

背の低い真のコンプレックスを苛めて喜ぶ成績優秀の意地悪兄貴。

過保護な両親。

その上、母はカルチャースクールのフラメンコ教師と不倫。

父は上司の失脚に快哉を叫ぶ体の、出世志向の塊のアブラギッシュ。

ほのかに恋焦がれていた美少女は、高価な衣装やアクセサリーほしさに無邪気に援交していた。

 

生きる意欲ゲージをどかーんと下げられてしまう「ぼく」

「ぼく」に明日はあるのか?

そもそも「ぼく」とは誰なのか?

 

シンプルな語り口で一気に読める文章は好感度が高い。

小林真ではなく「ぼく」が小林真として物事を処理していく過程で次第に明らかにされていく家族の事情、人間関係と言う手法で読者にステロタイプな「この悪人は実はいい人だったんだあ」という描写に読ませない。上手い。

 

鬱になり、学校で苛められた自分自身を無為なものに感じて自殺を図ってしまった真の心情は、悲しくも痛かった。

 

援交ヒロイン「ひろか」と、もう一人ダブルヒロインの一人、「ぼく」の正体に気付く唱子の描写が不自然でぎこちないような気もしたが、中学生ってぎこちないものか?

一々ひっかからないで素直に読むのが正解かも。

 

 

天使プラプラは、結局のところ、自殺未遂して、それでも生きる真に侠気のあるエールを送る

 

「まず、ぎゅっと目をとじろ 大きく息を吸い込め 帰ろうと思いながら一歩、足を踏み出してみな。それだけで君は君の世界に戻れる。 あばよ、小林真。 しぶとく生きろ」

 

帰ろうと思いながら、一歩足を踏み出す。

 

生きるって、けっきょくただその一歩の、積み重ねなんだよな。

「ただその一歩」が、とてつもなく、重くて辛い時があったりもするけど。

 

読後感爽やかな本でしでた。

...... 返信 ......
■ごあいさつ   [ NO. 2007070601-2 ]
みょうくさん、こんにちは。
5割頭改め、鳥頭のクリスタルです(3歩歩いて忘れる)。
昨日は、チャットのお相手ありがとうございました。
精力的に読書なさっていますね。ついてゆけなくて残念です。
私はいわば自宅療養中で、時々仕事に出ます。貴重な国家資格のおかげで、なんとか生活できています。
みょうくさんの超能力のおかげで、こちらでは少しづつ雨が降っています。半分を切っていたダムの水が、70%を超えました。でも、夏はまだまだこれからです。心配は続きます。
「かなしくは ないか/ こんなにも/ おとなに なりすぎたこと/ おとなになってまで なお/ きずつきがちな こころ」
私の好きな詩村あかねさんの詩の一節です。今分かる(感じる)のはこんなところです。
よろしければまたお話ししてください。
クリスタル 2007/09/08 17:19:17 
■詩とメルヘン2001年8月号   [ NO. 2007070601-3 ]
に掲載された詩ですね。
原典を知ってから御返事したくて書き込みが遅れてしまいました。申し訳ありませんでした。

検索したところHPにたどりつき、教えていただいた詩の全文にたどり着きました。
「きみ かなしくないか」の一節でしたか。
この詩の


がむしゃらに あるいてきた みちを
もういちど ふかく ふりむくと
ぼやけているものが おおすぎて
こころが なみだつようなのだ

の一節に
マンガ攻殻機動隊の荒巻課長が素子に言う台詞

「ただ前を行くことだけでなく、立ち止まって、時に後ろを振り向くことをできるのは 人間だけ」

という台詞を思い出してしまいました。

素敵な詩を紹介してくださってありがとうございます!
市の図書館の蔵書検索で見つからなかったのでてっきり小規模活動している方かと思いました。とんだ失礼、ですね(;^_^A
みょうく 2007/07/07 20:57:26 

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