引き続き「詩歌の待ち伏せ」北村薫 文芸春秋社 より 「河内の国の山中に一村あり。 樵者あり、母一人男子二人、女子一人ともに親につかへて考養足る。 一日(ひとひ)村中の古き林の木をきり来たる。 翌日兄狂を発して母を斧にて打ち殺す。 弟亦これを快しとして段々にす。 女子も俎板をささげ、包丁をもて細かに刻む。 血、一雫も見ず。 大坂の牢獄につながれて、一二年をへて死す。 公朝その罪なきをあわれんで刑名なし」 『古典文章宝鑑』(小田切秀雄・川口久雄・松田修著・柏書房 一線越えちゃうその怖さ。 ラストの一文は 獄死。 情状酌量及び責任能力無しと看做し、あえて刑にふさず といったところでしょうか。 |