「名文」 中村明 ちくま学芸文庫 主に現代小説での日本語の“名文”を解析しその本質をときあらわし、実例で解説した本。 読んだから書けるってもんでもないけど、名文(笑) 私にとって名文とは 「読んでグルーヴであり、説得力があり、面白い文章」 なのですが。 それはそれとして古今の名作の小説のさわりが名文として解説、紹介されており読んだ気にもなれて お得感ありな本でした^^ 名文というものは作品から切り取られてそのセンテンスだけ取り出しても名文たり得るのですねえ。 感心。 例を引くだけで、国木田独歩、夏目漱石、正宗白鳥、久保田万太郎、永井荷風etc・・・・ とお歴々が並ぶ中 わざわざ武者小路実篤の「友情」から引いてくるこの一文の “名文認定”に思わずこの著者のフトコロの深さをみたような 〜自然はどうしてこう美しいのだろう。空、海、日光、水、砂、松、美しすぎる。そ してかもめの飛び方のいかにも楽しそうなことよ。そして人間はどうしてこんなに深 いよろこびが与えられているのだろう。まぶしいような。彼はそう思った。自分のわき に杉子がいる〜 たしかにこのてらいの無い文章は誰にでも書けるもんじゃない。 まぶしいような で句点は普通つけないですねえ。 これを読んで、クルーンの145キロのフォーク、ダルビッシュのカーブ、ツーシームに、多田野の47キロの超遅球が混ざって打てない打者になったような気分になりました。 |