拾遺


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...... 2011年02月22日 の日記 ......
■ 読書感想   [ NO. 2011022202-1 ]

 

 

 

 

「沖縄の宇宙像 池間島に日本のコスモロジーの原点を探る」 松居友 洋泉社

 

沖縄の離島、池間島。

実はこの島は島全体が霊地・聖地としての格が高、く古代から続く神事がいまだ色濃く残るという。

作者の池間島での細やかなフィールドワーク、そしてアイヌ、フィン族、イヌイットなどの風習との比較、類推を一冊にまとめた本。

 

この本を読んで「神事」というものの位置づけが自分の中で変わりました。

 

私は今まで「神事」というのは神に祈る儀式という程度で捉えていたんですが、ここで言う神事はもっともっと濃い。

 

天体を、海を、風を敬い畏れ愛するのは人外の、神のエネルギーを取り込む儀式に他ならない。

しかしそれだけでは収まらないところが神との対話の難しさ。

 

諸星大二郎の漫画にもありましたが

 

神とは有難い一方の存在なわけはなく、時に荒ぶり、時に奪う怖ろしい存在なのだった。

 

それを上手く除けつつ折り合いをつけながら神のエネルギーを取り込む。

神事とは敬虔な祈りと宇宙との対話をするという膨大なエネルギーを要する儀式なのだった。

 

 

 

 

日本の端っこの小さな島の神事を通じて、日本人の根底に流れている(はずの)その恐ろしさ、敬虔さ、いとおしさ、やさしさに肉薄した著者に敬意を表したい


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